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風がはこぶものはそのためいき

吹きだまりの片隅から

軽々と肩をこえて



雨の匂い

はす池の花をけむらせるゆるやかなおもい

たとえばあの足音



こどもたちのボールは弾んでぼくを貫く

まるで森に連れられた風をはこぶ

ひかりのように



きみの背があたためる5月のひざし

ぼくがかぞえるトキの重さより

ほんの少し

ほんのりと






























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# by an_que_an531wan | 2016-05-05 22:25 |

音について




傘の中できいたのは

雨の音に消えた言葉

あれは雨だったのか

果たして言葉のきれはし

やがてそんなことすら消えた傘にたずねて

くるりとまわる




投げる

ぱしんっと音がする

投げる

その音を思って

朝が来て

いつか眠りについて

朝が来て

いつか眠りについて

その音を思って

投げる

ぱしんっ




カラクリ時計の中でわすれていた星の音をきいて眠ろう

片端から消しても消すことなど出来ない星の音をきいて

星はひろがっていく

時計を置いたまま

ぼくは片端からすべてをわすれていく

カラクリ




























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# by an_que_an531wan | 2016-04-28 18:49 |

初夏




耳元にざわざわと風があつまってくるのは

うらなった明日をくつがえすため

黒く長い髪をばっさりと切って

容赦のない言葉よりも

容赦なく

ここを越えていくため




見上げるのは何かを望んでいるから

猫の爪で傷つけるように渇望しているから

縦にまっすぐに

幾重にも幾重にも

空は漆黒になると答えをくれるかもしれない

闇の中で眠るのはそのせいかもしれない





ふしぎなくらい新たになる、は、朽ち果てる、をともなっている

ほんの一瞬とどまることなく

すべてがやさしく循環する

からだからからだへ

こころからこころへ

やがてこころは朽ち果てることなく

































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# by an_que_an531wan | 2016-04-27 18:30 |

まり子さんの詩







彼がゆっくりと私の胸に触れた時、
愛が流れ出した
許しがはじまった
それは静かな木漏れ日のように
私の胸の内を満たしていった
もっと触れてほしい
共に呼吸を重ね一つになっていきたい
ゆっくりと深く互いの尊さを感じるように呼吸を重ねていく
この瞬間が永遠に変わることのないようにと
私は祈った







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4/17志賀直哉邸でのワークショップ+朗読会でまり子さんが詠んだ詩です
透明な純粋さがまり子さんをあらわしていて
エゴや独りよがりのものではない
こころからの信頼と深い愛情


























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# by an_que_an531wan | 2016-04-21 20:29 |

幻影

きみがかなしむなら青い星の髪かざりを

静かに燃えるなみだひかり

空にいちめんに

きみがやるせないなら白い水しょうのブローチを

汚泥をぬけてしんじつは

ここにしかないうつくしさ

きみがほほえむならさくら貝のピアスを

波にのまれて離れても

海はつながる

淡くさくらいろの陽をうけて

それが幻影とわらうなら

幻影はかわらぬこころのなかに






























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# by an_que_an531wan | 2016-04-11 23:54 |