ゆるやかに掲げられたたいまつを手に切り込んでゆく 赤々と溢れる心臓の収縮が手首に書いたノウ そのまま従っていては能のないこと 涙とは無縁の圧倒的に溢れる手首をゆるやかに掲げて切り込んでゆく 内側からひとつきにかなたまで . #
by an_que_an531wan
| 2016-09-09 23:30
| 詩
地もない虚空の中で青い布がふわりと立っている それはノースリーブの長いドレスで 言葉で表すことのできない不思議なひかりを帯びていた ほとんど重みのない生地はやさしい風をはらんでいて 虚空全体にしずかなよろこびが満ちていた それはまさにここにあり 初めから終わりまで何一つ変わることなく立っていた
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by an_que_an531wan
| 2016-08-12 00:02
| 詩
夏の日の夜のみずうみの水に あの日の手紙が舞い降りてくる 手のひらにあざやかなひかりをもって こころは素数と響きあって なにも変わらない 余韻を残したまま 約束の半分と まだ果たしていない半分と すべてはその胸にいだかれて 頼りなく ようやく息をしていたところ 触れることもままならず はだしのままでふるえていた いつか 傷のいたみにもゆるがぬ少女のつるぎに 怒りも 悲しみも にくしみさえも抜け落ちて ゆるやかに落ちていくみずうみの水 あいするもののために それだけが残された半分で 闇の中に死んで 闇の中から生まれてきた すべては その胸にいだかれて なにも変わらない 余韻を残したまま 夏の日の夜のみずうみの水 こころは素数と響きあって 手のひらにあざやかなひかりが ずっと降り注いでいた . #
by an_que_an531wan
| 2016-07-08 00:16
| 詩
丸い頭をしっかと抱いて 熱を吸い取る昆虫のように いきかう息はやさしくかよう 闇夜の端に たしかに月は
あたらしさなど望みはしない 妖精となって ひそやかな花々となって うごめきだす 血を運ぶ 右のなみだのひかりは増して
月は西の空に映り 何もしんぱいいらないとそのことばが降ってくる 越えねばならない だれのことでなく 過去のことでなく まだ来ぬ未来のことでなく
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by an_que_an531wan
| 2016-05-14 20:23
| 詩
商店街のアーケイドにさえぎられた小鳥のゆくえをヒマワリに そっときいても笑うだけ 朝食のパンとはちみつとソーダ それから瞬間接着剤を とれないように くっつけるため
海のにおいより そんなことより お笑いを無音で見て笑っているかおにテレビのひかりまだらに映って
雨ヨリモ ナニヨリモ 泣けばイイサ 泣けばイイサ ただそれだけのこと どうせいつかイナクなり いまはともにある
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by an_que_an531wan
| 2016-05-12 23:12
| 詩
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