カテゴリ:詩( 138 )

日々


商店街のアーケイドにさえぎられた小鳥のゆくえをヒマワリに

そっときいても笑うだけ

朝食のパンとはちみつとソーダ

それから瞬間接着剤を

とれないように

くっつけるため




海のにおいより

そんなことより

お笑いを無音で見て笑っているかおにテレビのひかりまだらに映って




雨ヨリモ

ナニヨリモ

泣けばイイサ

泣けばイイサ

ただそれだけのこと

どうせいつかイナクなり

いまはともにある
























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by an_que_an531wan | 2016-05-12 23:12 |


風がはこぶものはそのためいき

吹きだまりの片隅から

軽々と肩をこえて



雨の匂い

はす池の花をけむらせるゆるやかなおもい

たとえばあの足音



こどもたちのボールは弾んでぼくを貫く

まるで森に連れられた風をはこぶ

ひかりのように



きみの背があたためる5月のひざし

ぼくがかぞえるトキの重さより

ほんの少し

ほんのりと






























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by an_que_an531wan | 2016-05-05 22:25 |

音について




傘の中できいたのは

雨の音に消えた言葉

あれは雨だったのか

果たして言葉のきれはし

やがてそんなことすら消えた傘にたずねて

くるりとまわる




投げる

ぱしんっと音がする

投げる

その音を思って

朝が来て

いつか眠りについて

朝が来て

いつか眠りについて

その音を思って

投げる

ぱしんっ




カラクリ時計の中でわすれていた星の音をきいて眠ろう

片端から消しても消すことなど出来ない星の音をきいて

星はひろがっていく

時計を置いたまま

ぼくは片端からすべてをわすれていく

カラクリ




























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by an_que_an531wan | 2016-04-28 18:49 |

初夏




耳元にざわざわと風があつまってくるのは

うらなった明日をくつがえすため

黒く長い髪をばっさりと切って

容赦のない言葉よりも

容赦なく

ここを越えていくため




見上げるのは何かを望んでいるから

猫の爪で傷つけるように渇望しているから

縦にまっすぐに

幾重にも幾重にも

空は漆黒になると答えをくれるかもしれない

闇の中で眠るのはそのせいかもしれない





ふしぎなくらい新たになる、は、朽ち果てる、をともなっている

ほんの一瞬とどまることなく

すべてがやさしく循環する

からだからからだへ

こころからこころへ

やがてこころは朽ち果てることなく

































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by an_que_an531wan | 2016-04-27 18:30 |

まり子さんの詩







彼がゆっくりと私の胸に触れた時、
愛が流れ出した
許しがはじまった
それは静かな木漏れ日のように
私の胸の内を満たしていった
もっと触れてほしい
共に呼吸を重ね一つになっていきたい
ゆっくりと深く互いの尊さを感じるように呼吸を重ねていく
この瞬間が永遠に変わることのないようにと
私は祈った







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4/17志賀直哉邸でのワークショップ+朗読会でまり子さんが詠んだ詩です
透明な純粋さがまり子さんをあらわしていて
エゴや独りよがりのものではない
こころからの信頼と深い愛情


























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by an_que_an531wan | 2016-04-21 20:29 |

幻影

きみがかなしむなら青い星の髪かざりを

静かに燃えるなみだひかり

空にいちめんに

きみがやるせないなら白い水しょうのブローチを

汚泥をぬけてしんじつは

ここにしかないうつくしさ

きみがほほえむならさくら貝のピアスを

波にのまれて離れても

海はつながる

淡くさくらいろの陽をうけて

それが幻影とわらうなら

幻影はかわらぬこころのなかに






























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by an_que_an531wan | 2016-04-11 23:54 |

発車メロディ



駅のひなたのベンチにガラクタが座ってた

うれしそうにポテトチップスを食べてた

ぼくがじっと見てると

ニコッと笑う

そのまま美味しそうにポテトチップスを食べる

ガラクタの頭の上のさくらはまだ半分ほどしか咲いていない

さくらの木に包まれた駅舎

その中をゆっくり電車が滑り込んでくる

きらきらした陽ざしが電車の屋根にうかぶ

しばらくして

発車メロディが鳴って

ガラクタは音楽に合わせて足をぶらぶらさせた

ぼくがぴょんぴょんすると

ガラクタはニコッと笑ってポテトチップスの袋を差し出した

もらっていいの?

そう言ってぼくが袋をのぞき込むと

ガラクタはいつの間にか消えた

向かいのホームの発車メロディが鳴りはじめて

駅舎のさくらがひなたにひらきはじめた






























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by an_que_an531wan | 2016-03-29 21:18 |

もう一度朝

朝を思う

何かが始まる朝

体が重い朝

ぱっと目覚める朝

朝の中に私がいる

私が朝の中にいる

冷たい風と春のきざし 

それらを感じて朝は特別なのです

特別な朝は

心を運べる一日

心に触れる一日

朝を思う今の中にあふれているのは

あなたに触れていること

人の心の中をパソコンの画面からながめていても何も映らない

その人だと見つめている画面も、会ってみないとわからないということを忘れてしまう

もう一度朝

朝の光の中で誠実であれたら

怖れをこえる勇気が羽を得て

私は変わるかもしれない

私たちは


























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by an_que_an531wan | 2016-02-29 16:42 |

そこにはソラが

ソラが虚空に満ちている

そこにはソラが

そこにはイナイ

空を切ってこぼれ落ちる

空虚がやどる

虚空にやどる

そこにはイナイ

ココニイルカラ

ここにイルケド忘れ去られてこぼれ落ちる

そこにはイナイ

ここにもイナイ

空を切って

空虚を切って

虚空に切って

そこにはソラが

そこにはソラが

そこにはソラが

ソラが虚空に満ちている





























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by an_que_an531wan | 2016-02-10 21:37 |

ループ


甘えてんじゃねえよとか叫んでマイクを振り上げる失笑

ここはトイレじゃねえよ

間違えんじゃない

それにしてもトイレに流れるあの水はいい

あの匂いがいい

何よりいちばん好きさ

今から嗅ぎにいきたい

このマイクはキライだな

コマネズミのようなあのこの手でアルコール消毒するから大丈夫です

とか

それはそれで好きさ

何より好きさ

だからさあ

言ってるだろ

ここはトイレじゃない

甘えてんじゃねえよとか叫んでマイクを振り上げるステージを見ているあのこのブーツのヒール

ループ

珈琲が決して冷めないように爆音を鳴らし続ける

手に持つのは一度だけ

出来上がったら交ぜる

シロップでもなくミルクでもなくいやらしくもなくエロティックな足

エロティックな胃の横のアタリで発酵している

キミが吐くころには芳醇な香りとやらはとっくに消えて

爆音なんかとっくのムカシからとっつかまって

わけわかんないところが好きだとか言って

それが生きるってことだろ

うつくしく生きるってことだ

珈琲は冷めない

爆音の中で

ループするループするループする

一弦だけで

ループする

シロップでもなくミルクでもなくいやらしくもなくエロティックな足

出来上がったら交ぜる

ループしても

手に持つのは一度だけ

決して冷めない


























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by an_que_an531wan | 2016-02-03 22:46 |