カテゴリ:詩( 138 )

アウトライン

立ち込める水しぶきの中
コトバの尾ひれをしっかと捕まえて
夏の陰を照らす水面にあがる
熱い額に蒸発する泡
二の腕の柔さに少し驚いた鱗を撫でて透かしてみると
青く走る血管の
傷みの人魚の血の匂い
点々と
カナシミに逆流してアトヲ追う魚の群れの美しいアウトライン
瞳に吸い寄せられる水かきの繊細さは底深い水をどこまでもゆく
刻々と
コトバに窒息して背までが泡になる前に
高く
決して失われることのない月が近づく






































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by an_que_an531wan | 2017-06-20 19:44 |

論理の時間

心臓の中で潮渦巻く論理の時間
息を吹き返す海の
波という波が声を連れて行く
ノーカロリーの水を撒き散らして進め
すべてはアンドロイドの文字の中
ああああいいいいううううええええ
ああああいいいいううううええええ
ああああいいいいううううええええ
松の葉のような香りと痛み
感情は飛び交って血を放つ
ブルーボウイ泣いてイナイデ染まった手を切断して
波にさらわれた文字を見つけて海に帰せ
作業手順の通りに
はまやらわをん
いつか消える未来より今があるなら
終わり止まる日が来るまでとどまることなく
波という波は声を連れて行け
打ち上げられた文字のすべてをアンドロイドから解放する
滑らかに素早く
ああああいいいいううううええええ
ああああいいいいううううええええ
ああああいいいいううううええええ
松の葉のような香りと痛み
感情は目まぐるしく変容する
ブルーボウイ切断した手をちょうだい
はまやらわをん
心臓の中で潮渦巻け論理の時間











































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by an_que_an531wan | 2017-03-01 21:06 |

砂時計


金色の鳥が見えたら時を射止めよ
血潮が沸き立つ指で定めて
鳴らせばサラサラと傾くガランドウの中
カランカランと回る金色の鳥の声
射止められなかった粒子の分量だけ砂が落ちて
まやかしは吸い込まれて
あらゆるところに
定めたこころに
血潮は消えず
沸き立つ指のその先の
カランカランと
金色の鳥が目指す遠い時を
いつか射止めよ































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by an_que_an531wan | 2017-02-04 22:58 |

受胎告知




闇に包まれた静寂の光余すところなく照らし出し
うつくしいいつくしみに潰れたままの矢をつがえて解き放った月に今こそゆけと
冷たく満々とひかるいくつもの朝
かえりみることない傲慢はかえりみられることもなく
何一つ難なく何いくつ聞いても何一つとして何もない空洞饒舌の残骸はただただ哀れで
細胞の幾億の記憶と情熱の冷静を授けたまさにいのちあるありかを
その杖に












































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by an_que_an531wan | 2016-12-11 09:15 |

発光

くらやみの中ふわりと浮かぶ言葉の
透明な紅
突き動かされる紫
黄色く白く炎
離れ
放たれ
重なり
カサナル
ハナレテ
ハレテ
あやうく発光する間に水が突き通す透きとおるユキワタルその
カゲに


黄色く
白く
ふわりと浮かぶ言葉に掬う




























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by an_que_an531wan | 2016-12-06 22:09 |

火と月





激情

理知

繊細の配合は

炎にさしだす心臓の

撃ち抜く鼓動と火と月の中




ほとんど陽も射さない白い手で強く

真っ直ぐに包み込むみずうみの水

卑しく

虚ろう言葉で心をはかるな

みずうみはゆれず

花びらがただ散る

































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by an_que_an531wan | 2016-09-09 23:37 |

陽と月




ゆるやかに掲げられたたいまつを手に切り込んでゆく


赤々と溢れる心臓の収縮が手首に書いたノウ


そのまま従っていては能のないこと


涙とは無縁の圧倒的に溢れる手首をゆるやかに掲げて切り込んでゆく


内側からひとつきにかなたまで












































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by an_que_an531wan | 2016-09-09 23:30 |

夢十夜


地もない虚空の中で青い布がふわりと立っている

それはノースリーブの長いドレスで

言葉で表すことのできない不思議なひかりを帯びていた

ほとんど重みのない生地はやさしい風をはらんでいて

虚空全体にしずかなよろこびが満ちていた

それはまさにここにあり

初めから終わりまで何一つ変わることなく立っていた










































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by an_que_an531wan | 2016-08-12 00:02 |

夏の日の夜のみずうみの水




夏の日の夜のみずうみの水に
あの日の手紙が舞い降りてくる
手のひらにあざやかなひかりをもって
こころは素数と響きあって

なにも変わらない
余韻を残したまま

約束の半分と
まだ果たしていない半分と
すべてはその胸にいだかれて
頼りなく
ようやく息をしていたところ
触れることもままならず
はだしのままでふるえていた

いつか
傷のいたみにもゆるがぬ少女のつるぎに
怒りも
悲しみも
にくしみさえも抜け落ちて
ゆるやかに落ちていくみずうみの水

あいするもののために

それだけが残された半分で
闇の中に死んで
闇の中から生まれてきた

すべては
その胸にいだかれて
なにも変わらない
余韻を残したまま


夏の日の夜のみずうみの水


こころは素数と響きあって
手のひらにあざやかなひかりが
ずっと降り注いでいた

























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by an_que_an531wan | 2016-07-08 00:16 |

闇夜に降れば

丸い頭をしっかと抱いて

熱を吸い取る昆虫のように

いきかう息はやさしくかよう

闇夜の端に

たしかに月は




あたらしさなど望みはしない

妖精となって

ひそやかな花々となって

うごめきだす

血を運ぶ

右のなみだのひかりは増して




月は西の空に映り

何もしんぱいいらないとそのことばが降ってくる

越えねばならない

だれのことでなく

過去のことでなく

まだ来ぬ未来のことでなく






































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by an_que_an531wan | 2016-05-14 20:23 |