星とコオロギ 

コオロギは夢を見る
それは硬質で決してやさしい柔らかい夢ではない
けれど
コオロギは羽根をふるわせた
コオロギの頭上では満天の星が降る
夢の中で
コオロギは祭壇の足もとにいた
祭壇の捧げ物は消費されて忘れ去られる
すべてが簡単に消費されて
すべてが簡単に忘れ去られていった
コオロギは
自分は捧げ物ではないことを忘れなかった
それでも
頭上の星がうつくしいことを
どれほど見上げてもうつくしいことを夢の中で知って
羽根をふるわせた
それは硬質で決してやさしい柔らかい夢ではなかったけれど
コオロギはしあわせだった
コオロギは決して
忘れなかった
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by an_que_an531wan | 2013-01-08 01:12 |


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